朝食のうまい店

    2013/11/22


 ここ数年、軽井沢で一番流行った食ジャンルといえば「朝食」だ。

 2、3年前から本格的な朝食を出す店が10軒以上も出来たのだが、その流行に火をつけたのは「キャボットコーブ」という朝食専門店。
朝6時半から午後3時までの営業で、メニューはアメリカニュージャージーでオーナーが慣れ親しんだ、エッグベネディクトやパンケーキ、ポップオーバーなどのカジュアルな朝食のみ。

 実はこの店、開店当初からその存在は知っていて、かなり早くから訪れていた。料理は美味しいと思ったが、営業時間も短いし、オーナー夫妻も儲けたいと思って始めたわけではなさそうだ。
そんなに流行るとは正直なところ思わなかったが、わずか半年でブレイク。
夏には朝から車が二十台以上とまり、一時間以上も並ぶ繁盛店となった。
そうなるとメディアにも数多く登場するから、いまではハイシーズンは予約制となり、入ることさえ困難な店となってしまった。

 そうなってみるとブレイクした理由は思い浮かぶ。
軽井沢で朝食を食べるのは別荘客が中心。
彼らは普段、仕事があるから長い期間滞在するわけではなく、台所を汚すんだったら朝から外食のほうがありがたい。
しかも家庭では食べられない、ちょっと手の込んだ料理を出してるところが心憎い。
しかも場所はテラスで緑を眺めながら食べるロケーションは気持ちいい。
考えてみれば、なるほどと思う。

 でも、台所を汚したくないのは東京だって同じだし、コンビニやファストフードの朝食では味気ない。
軽井沢から少し遅れてはいるものの、東京でも朝食が徐々に流行ってきている。
たとえば、上野駅では、日本橋にある老舗洋食屋「たいめいけん」が朝食を出していて、人気のボルシチと卵料理が楽しめる。
東京駅の地下にある「東京ラーメンストリート」の「六厘舎TOKYO」では朝からつけ麺が食べられるし、「京橋千疋屋本店」のモーニングサービスにつくフルーツのクオリティは感涙もの。

 だが、いまのイチオシは青山にある日本料理「栩翁S」の和定食。
店主は若いながらも器のコレクターでも知られ、夜の割烹もいいが、昼は営業していないのに朝食はやっているという変わった店。

 鯵やかますなどの焼魚に小鉢、味噌汁がついた一見、なんてことのない朝食だが、魚の質の良さが抜群だし、なによりうまいのはご飯。
これにオプションで生卵をつけてTKGで食べたら、一日中ごきげんになる。
しかも、これで840円なのだ。
わざわざ車に乗ってやってくる客がいることもうなずける。

東京いい店うまい店編集長
柏原光太郎

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