マッキー牧元

マッキー牧元
味の手帖編集顧問タベアルキスト

安ウマ

琥珀色のダシの中で、白いうどんがすすられるのを待っている。

黒門 さかえ 大阪府

そば・うどん

キュレーターコメント

琥珀色のダシの中で、白いうどんがすすられるのを待っている。 お揚げは、そっと横たわり、青葱が彩りを添える。まずつゆを一口飲む。 温かい甘みが、丸くなった滋味が、転がるように舌に広がって、手足を伸ばす。 うまいがうますぎない、ほどを知った味わいが、心をほぐす。 次にうどんをひとすすり。 のどごしを求める讃岐うどんもいいが、大阪のうどんは「舌ごし」である。 つるりと唇を過ぎたうどんが、舌に吸いつくようにしなだれる。 柔らかな食感で「こんにちわ」と挨拶すれば、「仲良うしよな」と舌が答える。 やわくなめらかな肌を噛もうとすれば、3〜4回で消えてしまう。 いや消えるのではない、舌と抱き合い、同化するのだ、と思うほどしなやかに生きるうどんなのである。 だからまとめてすすらない。細いうどんなら3本くらい、太いうどんなら1本にして、少ない本数をいとおしむように口に上らせる。 甘い出汁を吸ったお揚げは、箸で持てば重く、噛めばお汁が滲み出る。 でも噛み切りはするが、そのまま舌の上に乗せて、しばらく噛まない。 ゆっくり汁が染み出してくる。 「ゆっくり炊かれましたん」と言って、染み出してくる。 それを感じてから、噛んでやる。 汁に一味は入れない。辛味はいらない。それよりも一味の中にある、微かなエグミが汁の味を濁らしてしまう。 普段早食いの僕も、きつねうどんだけはゆっくりと食べる。 質素の中にある幸福を、汁に溶け込んだ人情を、心のヒダに染み込ませていくように、ゆっくりと食べる。

店舗情報

黒門 さかえ

そば・うどん 大阪府大阪市北区堂島1-4-8 廣ビル 1F
平均予算

¥1,000~

営業時間

11:30-13:30 18:00-24:00(L.O.23:30)

定休日 土曜.日曜.祝日
ウェブサイト http://www.hoso-udon.com/
リンク http://bit.ly/2ysd1IS
電話番号 0663440029
経路案内 車での道順 電車での道順 徒歩での道順
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