浜田 岳文

浜田 岳文
投資家・旅人

高ウマ

伝統食材や郷土料理の要素を取り入れた現代的ロシア料理

Moroshka dlya Pushkina(モロシュカ・ドゥリャ・プーシキナ) サンクトペテルブルク

各国料理

キュレーターコメント

オープンして2年の比較的新しいレストランながら、サンクトペテルブルクを代表する名店。今回、24時間弱の短い滞在でサンクトペテルブルクに立ち寄った目的は、当店。香港人の食通の友人から評判を聞いていたので、訪問することにした。 歴史的建築物の市場の地下が入口となる。中に入ると落ち着いた佇まいのウェイティングスペースがあり、地上階に上がるとダイニングが広がる。ロシアの高級レストランというと、派手なデザインに彩られていることが多いが、こちらは高級感がありながらも華美ではなく、趣味が良い。 店名を訳すと、プーシュキンのクラウドベリー。ロシアの詩人プーシュキンが好物のクラウドベリーを買うため、この市場に通ったという故事に由来するそう。 ロシアでは、アラカルトが好まれるので、テイスティングメニューを用意している店は数少ない。当店も、アラカルトのみ。ただ、様々な料理を試したい旨伝えると、ハーフポーションで皿数を増やしてコースに仕立ててくれることとなった。 西洋料理を基盤としつつ、ロシアの伝統食材や郷土料理の要素を取り入れた、現代的ロシア料理。ロシアの食の伝統の中に、ニュー・ノルディックに共通するコンテンポラリーな要素が散見されるのが興味深い。ニュー・ノルディック自体が北欧の食文化の再発見によって成り立っていること、そして、ロシアと北欧の地理的・気候的近似性を勘案すると、当然かもしれない。 意図してイノベーティブな料理ではなく、一見ありふれた料理にも思えるが、一皿一皿の完成度は高い。皿によっては味付けが控えめで、繊細な風味が日本人の琴線に触れる。 サービスは、フレンドリーで、士気の高さが伝わってくる。帰り際に松ぼっくりのジャムについて質問したところ、瓶詰めをプレゼントしてくれた。 シェフの個性を生かしたイノベーティブな料理が花開きつつあるモスクワと比較すると、まだ発展途上のサンクトペテルブルク。その中でも、派手さはないものの存在感を放っている当店は、訪れるべき一軒だと思う。 <> of northern whitefish, with honey and lemon dressing シベリア産ホワイトフィッシュの「ストロガニーナ」、蜂蜜とレモンのドレッシング:オリーブのペーストとチーズ添え。ストロガニーナとは、シベリア風ルイベを指す。こちらはそのアレンジで、ホワイトフィッシュの塩漬けのカルパッチョ。 Linseed chip, bread 亜麻仁入りチップ、パン Yogurt, cream, dill oil ヨーグルト、クリーム、ディルのオイル:ディルの香りとヨーグルトの酸味が爽やか。 Oxtail aspic with creamed horseradish mousse オックステールのアスピック、ホースラディッシュのクリーム:オックステールのゼラチン質で固めたアスピック。中欧や東欧でポピュラーな伝統料理だが、仕上がりは軽やか。プルプルした食感のゼリーは旨味が濃いが、塩辛くはなく、口の中でさらりと溶ける。ドレサージュも美しい。 Chatka crab No.3, zucchini, saffron, tomato カニ、ズッキーニ、サフラン、トマト:カニとズッキーニを包んだラビオロ。ズッキーニとボッタルガのブイヨンは、優しく体に浸透するよう。野菜由来の甘みを感じたので確認したところ、菊芋の風味を生かしているそう。派手さや分かりやすさはないが、繊細なバランスが秀逸。 Eel, buckwheat, asparagus 鰻、大麦、アスパラガス:カニのビスク添え。鰻は、カリングラードで養殖されたものだそう。肉厚で、たっぷり脂が乗っている。甘辛い味付けが、日本の蒲焼きにそっくり。大麦のリゾットと合わせていることからも、日本の鰻の食べ方を意識しているのかもしれない。 Duck with baked roots and fir sauce 鴨、セロリアック、モミのソース:鴨は、胸肉を低温調理してからオーブンで焼き上げたもの。皮は外してあり、見た目は大人しい。反面、口に入れると、濃厚で力強い風味が広がる。 Cream cheese with cloudberry jam and pine cone syrup チーズケーキ、クラウドベリーのジャム、松ぼっくりのシロップ:当店の店名にも含まれる、クラウドベリー。驚いたのは、シロップで煮た松ぼっくりが登場したこと。先鋭的なレストランで松脂を使うケースはあるが、松ぼっくりをそのまま食べるのは初めての経験。ロシアでは伝統的に食されるようだが、柔らかく煮てあるので、歯に当たることはない。後味の苦味と渋味が特徴で、クラウドベリーの酸味とチーズケーキの甘味に対してアクセントとなる。 Celery tubes with white chocolate mousse セロリアックのチューブ、ホワイトチョコレートのムース:ヨーグルトの泡、ディルのグラニテ、焦がしバターのアイスクリーム。全ての構成要素をかき混ぜ、一緒に口に入れる。セロリアックの風味に、ホワイトチョコレートの脂分、ヨーグルトの酸味、ディルの爽やかな香り、焦がしバターのコクが重なり合う。更に、温度や食感のコントラストも加わる。どの構成要素もぶつかり合うことがなく、個性を主張しながら共存するのが見事。

店舗情報

Moroshka dlya Pushkina(モロシュカ・ドゥリャ・プーシキナ)

各国料理 Наб. реки Мойки, 3 А, Санкт-Петербург 191186, Россия
平均予算

5,000 RUB~

営業時間

[火-土] 13:00-23:45

定休日 月曜・日曜
ウェブサイト http://www.moroshkaforpushkin.ru/
リンク https://bit.ly/2suM3zl
Facebookページ https://www.facebook.com/moroshkaforp...
Instagramページ https://www.instagram.com/moroshka_re...
電話番号 79219472500
経路案内 車での道順 電車での道順 徒歩での道順
  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • Google+でシェア
  • はてなブックマークに追加

テリヤキをサクサク見るなら
アプリがおすすめ!